感動させるUXのデザインを制作する為に必要な事
前回のお話はこちらです：
前々回のお話です：
前回はデザイン制作におけるUIについてご説明いたしましたが、今回は『UX（ユーザーエクスペリエンス）＝ユーザーの経験・体験』について掘り下げてご紹介いたします。
ユーザーの心を動かすコンセプトをデザインに
モノやサービスが溢れる昨今「普通に良い」という事だけでは競合他社に勝つ事は難しくなっています。
その為「ユーザーの心を動かす、感動させる」という付加価値を加えることで、ユーザーの満足度を高めようというのがUXの基本的な考え方です。
例えばスターバックスは「珈琲を飲むだけではなく店内で過ごす時間（体験）に価値がある」という考えのもと「リッチな時間を提供できるような店舗設計、サービス」が作られています。
また任天堂のポイントサービスサイトでは、単純にポイント付与するだけでなく「転がるコインをキャラクターが追いかけているのでカーソルを合わせクリックしてポイントを獲得するミニゲーム（体験）」のような遊び心が散らばっています。
実際に多くの企業がこのようにユーザーの心を動かす為に工夫を行っています。
ではデザインで人の心を動かす為に何ができるでしょう？
デザインでも「美しさ、仕掛け、世界観、物語」等、多くをユーザーに伝える事ができます。
その為に、まずは「何を伝え、どう感動させるか」というコンセプトを明確にしましょう。
勿論、デザイナーだけで決めるのは難しいのでディレクターやクライアント等、チームで共有・相談し摺り合わせる事が大切です。
ユーザーにどんな体験を届けるかを明確にする
デザインを制作する場合「何を伝え、どう感動させるか」というコンセプトを明確にしてそれがブレないデザイン、サイト制作を行う必要があります。
例えばファッション通販サイトでも以下のようにコンセプトによって見せ方も感動のさせ方も違います。
【例1】
コンセプト「とにかく安くてお得！品揃えも豊富！」
●デザインイメージ
・金赤やゴールド系の配色
・まとめ買い特集等バナーを数多く配置
・ポイント付与、価格OFF率の強調で「お得感、SALE感」を感じさせる
・レコメンド、売れ筋ランキング、色違いアイテムで商品の多彩さをアピール
●ユーザーが受ける印象
「お得に買い物ができて嬉しい！品揃えも豊富なので色々なアイテムが見つかる」
【例2】
コンセプト「ハイブランドのアイテムをセンス良くリッチに提供」
●デザインイメージ
・モデルと商品の洗練された画像や動画をゆったりとしたレイアウトに配置
・情報量や色数を最低減に
・最先端の雰囲気を感じ取れるようパララックス等の動きも付ける
●ユーザーが受ける印象
「お洒落、高級感を感じるサイトを利用して特別感がある！早く服を着てみたい」
というように一括りに「ファッション」と言っても
◎取扱う商品 ◎メインターゲット ◎伝え方、コンセプト
によってデザインやサイト設計は変わります。
常にそれ等を明確にしてからデザイン制作を始める癖をつけるのは勿論、普段から世の中に出ているデザインが「どういうターゲットに向け、どういう体験をさせ、どう感動させようとしているか」研究しておくようにしましょう
全ての人の心を動かすことはできない
このように別々の属性にあるターゲットの心を同時に動かすデザインを制作するのは難しいので、「ターゲットに想定しているユーザーを感動させる為のデザイン」を制作するという事を忘れないようにしましょう。
まとめると良いUXのデザインを作るには
ターゲットを想定→何を伝えて何を体験させてどう感動させるのか（コンセプト設定）→デザイン制作
という流れを確立する事と、そのターゲットが何を好むかの市場調査を行う事が大切です。
また「想定しているターゲットに近い人」に完成したデザインを見てもらい客観的な意見ももらうようにしましょう。
全ての人の心を動かせるデザインはありません！
「10人になんとなく評価が良いようなボヤけたものでなく、ターゲット1人が感動して思わずファンになってしまうようなデザインを作る」という意識を持ちながら制作するのがポイントです。
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